さて、鷹見一幸氏の新シリーズが発表になりました。その名も宇宙軍士官学校。
個人的には、『銀河乞食軍団』の外伝の続きはないのか。とか『ネオクーロン』の続きを早く読ませろとか、『山猫姫』の続きは8月10日とか、言いたいことは様々あるのですが、今日は、この作品について。
古き良き時代のジュブナイル。
ライトノベルなんてものがまだ存在しない30年前。平井和正の『幻魔大戦』やら、筒井康隆のSSがちょっとマイノリティな中高生に熱狂的に支持されていた頃、大人の作家が、青少年向けに書いた『見通しの良い』(後書き参照)小説。それこそがジュブナイルなわけです。
当然、これはライトノベルを否定する物ではありません。ライトノベルとは、青少年に仲間意識を持った作家が仲間へ向けて発信する物であろうと私は思います。(ですから、青少年の仲間たる作家の作品を、40代後半の私が読むという皮肉な現状もあるのですが)
この青少年作家の壁は最近ネットの発達によってとみに低下し、現状では小説発表サイトに発表するだけで、ネット作家の仲間入りという事も可能になっているのです。羨ましい話です。30年前なんて、発表の場を維持することだって必死でした。
と、脱線が過ぎました。
作品はいつも通りの鷹見節。異星人によって幼年期を強制的に終了させられた人類が、その己の義務を果たすために新たに宇宙軍を結成。その前哨として50名ほどの士官候補生が集められる。教育期間は3ヶ月。
妙にじじむさい主人公が、先を見通して行動し、難関を乗り越えるお話です。粗筋は簡単ですが、私は充分に満足させてもらいました。また、小ネタはあちこちにちりばめられているので笑えます。
次巻が楽しみな作品がまた増えました。
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