心がささくれ立ったら、時代小説が効きます。平岩弓枝氏の『ちっちゃなかみさん』(角川文庫)は、そんな時の一服の清涼剤にと思って買った本です。
江戸の市井の人々の暮らしとそこに起きる小さな出来事を丹念に描いた作品ですが、何とも言えない苦みがあります。
どうにも、根底にあるのは血よりも縁といった考え方ではないのでしょうか。
表題作の両親を捨ててでも好きになった男に嫁ぎたいという娘に始まり、KYな母親を切り捨ててしまう子供達の出てくる『なんでも八文』。女房子供に捨てられる夫の『かみなり』等々。
駄目な家族は切り捨てて、残った家族で幸せに暮らせばいいよ。みたいな感じがして、しょうがなかったんです。いや、そういう意図ではないのは百も承知ですが。
うーむ、やっぱり私、かなり疲れているんでしょうか。
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