宮城谷昌光の三国志もいよいよ7巻。あくまで、個人的な意見なんですけれど。この三国志、姉さん皇帝に取られなかった、歳喰ったラインハルトと、仏教思想で更に茫洋としちゃったヤン・ウェンリーという組み合わせではないかな。そう思ったりしています。
信念の人、曹操というのも色々な三国志読んでいると落差があって面白いんですけど、この劉備も凄まじいです。いや、まじめに味方としても恐ろしいし、敵にしたら得体が知れず、更に恐ろしいと。でも、こういう人は生きやすいだろうなあ。そう思ったり。私みたいに舐められたら人生終わりです。
ともかく、前巻で赤壁の闘いと劉備の火事場泥棒が描かれたわけですが、今回は呉蜀の同盟とその決裂です。
しかし、さすがは氏の作品。他では盛り上がる周瑜の死はあっさりだし、他では兄と夫に挟まれて、自死する孫婦人は呉のことしか考えていない蜀にとっては凄まじい悪女だし。
いや、忠義の人関羽自体が、劉備よりも自分が上と考え、独立考えている時点でこの三国志はただ者じゃないのですが。ともかく面白い時間を過ごすことができました。
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