これは誓って実話です。しまりす
ちょっとはあどぼいるど風に。
最近、異常に忙しい。私物の携帯の番号も既に同僚達にあまねく知られ、のべつくまなしに着信音であるワルキューレ騎行を、がなりたてる。
そして、今日の夜、9時過ぎにようやく帰宅し車庫に愛車を放り込もうとしたとき、また、携帯が鳴り響いた。
はい、もしもし。はい。
用件はすぐに済んだが、またかかってくるかもしれない。
ため息を一つつき、携帯を助手席に放ると、車を車庫に入れた。
助手席の携帯を帰りがけに買ったコンビニ袋に放り込み、鞄と袋を持って、車から降りる。
シャワーでも浴びて、飯を食いたかった。つかれていた。ひたすら疲れていた。
電話はかかってこなかったが、持ち帰った仕事は思いの外手間取った。
シャワーを浴び、飯を食い、久しぶりにPSPで『ワイルドアームズXF』を1マップ。途中で勝利条件をつぶされてから始めた仕事が終わらない。
もう、深夜といってよかった。
気晴らしに携帯のメールチェックをしようと思ったのは現実逃避だったのかもしれない。
あれ?
コンビニ袋の中には、携帯はなかった。
飯を食ったときにどこかにおいたのだろうか?
心当たりはない。
本当に、自分が信じられないなあ。
苦笑いしながらPHSのスマートフォンを鞄から取り出す。この番号は友人しか知らないが、一応、電話帳はすべて転送してある。
自宅携帯として記憶されている、行方不明の携帯の番号をコールする。
お話中・・・。だった。
首をひねりながらもう一度コール。
お話中・・・。
深夜、2時のアラームがか細く鳴った。
莫迦な。
そう思った。行方不明の携帯を誰が話しているんだ?
わたしはゆっくりと、机の上の光電話の子機に、手を伸ばした。
番号を打ち込んでいく。
070・・・。
室内に、ハッペルベルのカノンが鳴り響いた。
あ、そうだった。携帯の電話帳をそのまま移したので、自宅の携帯にはPHSの番号が登録されていたんだった。
ちなみに、携帯は翌日助手席から発見されました。わたしは、ずっと助手席に置いてあったPSPをコンビニ袋に放り込んで、アパートの部屋に戻ってきたようです。
道理で、久しぶりにPSPで遊んだはずだ。
いや、怪奇現象って、そうそう起きるモノではないんですね。
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