Ｑ その２

  衝撃覚めやらぬままちょっと迷って駅地下の『ライオン』さんに入ります。 
  まずは麦酒と室蘭やきとり、唐揚げなど頼んで乾杯。
  人心地ついて、あたりを見回すと、何組か劇場で見かけたグループの姿がありました。若いグループなど無言のままジョッキを傾けてますよ。あっちの同年代のグループは苦笑いしながら飲んでます。いや、よく分かる構図です。
  「いやあ、EVAだったね」
  Ａ先輩が開口一番おっしゃいます。
  「はあ。というか、庵野さん、どれだけシンジが嫌いかですよね」
  「うん。しかし、このぶっちぎり。EVA以外には許されないよね」
  「ヤマトなら暴動モノです」
  「でも、ヤマトやガンダムから入った歳喰った連中だとEVAはそういうものだと思えるけど、EVAから入った連中は今回の話は辛いよね。完全に放り投げられちゃったから。少なくとも旧劇の方がまだ繋がりはあったよ」
  「ええ、前作までが王道で、しかもあの予告でしたからね。これからアスカ無双。そう思ったアスカ派の落胆が。今回終わった後の無言がもう」
  「新劇の予告って今までもミスリードばっかりじゃない。それにアスカは充分に活躍したしょ。ほとんど主役だよ主役」
  「しかし、まさか、庵野さん、また『おめでとう』『ありがとう』やる気じゃないでしょうね」
  「ありえるねえ、それ、やっぱりそれがやりたかったんじゃないかな」
  いや、それやったら、今度こそ客離れますって。というか次は何年後なのでしょうか。