何となく、心が砕けてしまったので『魯山人味道』などを紐解きました。
疲れたときには食のエッセイが一番効果的です。(前にも言ったかな)
しかし、全編、これ『美味しんぼ』初期作品の元ネタだらけなんですね。この本。悪役海原雄山の鴨肉事件もきちんと載ってました。
以下余談。(司馬遼太郎氏風に)
『木曽路』さんのマスターに頼んだ、魯山人のお孫さん北大路泰嗣氏作の織部の片口とぐいのみ。私が39才の時にまあ、2~3年くらい待ちますといって頼んだんですが、もう4年。おそらく、入手はできないんでしょうねえ。ご本人の評価もここ数年でうなぎ登りとお聞きしますし。
話を元に戻します。
ともかく、最近の事故米や賞味期限問題について昭和33年に警鐘を鳴らしているのは流石だと思います。
「~経験不充分な者、責任を敢えて感ぜざる者、全然無神経なる者、誠意無き者等によって中毒原因の根本をつくっていると、私は見る者であって-中略-しかし、食品原料の良否などに全然目の利かないお役人の、形式的な取り締まりに委ねて安閑としている現状のつづくかぎりは、中毒事件の後を断つなどは望みなきものと見なければなるまい」(同書278p)
50年近くも、我々は何をしていたんでしょうか。
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