何故北上次郎氏がかくも褒めるのか。気になってとうとう買ってしまいました。全19巻+1巻の長丁場。でも、火傷しないようにまず2冊。面白ければ長いマラソン。駄目なら2冊誰かに押しつけます。
で、読んでみたんですが、え、これって本当に水滸伝? なんですね。いや、何でもかんでもぶち込んで八宝菜こさえて、その熱々のやつを丼飯にぶっかけてがしがし食らう。そういうのが水滸伝なんだと思うんですが。(まあ、例外として日本テレビのドラマ「水滸伝」のようなすっきりした水滸伝もあったりするわけですが)なにか、調子が外れるんです。もう一寸羽目を外してもいいだろう。そんな感じがするんです。みんなお上品です。これは失敗かもしれないね。そう思ったんですが。2巻目に入ってからがぜん面白くなります。というか北方節を私が理解したのかもしれません。確か私が氏の作品をよむのはこれが初めてのはずです。これは水滸伝ではない。水滸伝を顴骨奪胎した別の話なんです。
清廉な男達の物語。
現代風な思考を持った108人の英雄の物語。
そういう代物なのですね。この作品は。
ただ、腐っている朝廷側をどう描くのか。興味は尽きません。読み慣れている大藪春彦氏なら権力と力をもった卑劣な連中をぶちのめすという原作に忠実な水滸伝でしょうがね。 というわけで3巻4巻購入決定です。
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