いや、暇はないんだけど。しまりす
現在、借りて読んでます有川浩氏の『図書館』シリーズ。いやあ。王道。どこまでも王道。すれた読者には完全に予定調和ですね。
ほぼ、完璧な司令官、勇猛果敢な戦闘隊長、信頼できる上司とキレものの副官。そして良き同僚・・・。
まあ、理想郷ですな。たぶん、作者は解ってやってると思うんですがね。
このほかにもいくつか、わかってやってることがあると思えちゃう。あからさまな設定、あからさまな物語の視点。年配の本読みはなんとなく解ってしまうんだけど、でも、こういう話はあっていいと思うんですよ。
最近、悪役にも物語があってね。なんて話が多すぎませんか。だから、ぶちのめしたときの爽快感が欠けるんです。まったく。
世の悪役はFF6のケフカを見習え!
とか何とか言っておきながら。
良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる「メディア良化法」が成立している世界。図書館は表現の自由を守るため図書隊を設立した。
なんか、こういう言い方するとパトレイバーみたいですね。あっちも主人公ヒロインだし。
第一巻『図書館戦争』は、ヒロインの郁が、軍事教練をしているという。なんだこれ? 的なシーンから始まるんですが、この世界、メディア良化法の下、本を狩る良化部隊と、図書隊の間で銃撃戦さえあるという・・・。いや、有川浩氏、貴方という人は。これでつかみはOKじゃないですか。
しかも、このヒロインが高校時代に図書隊の隊員に良化隊員の本刈りの場面で救われている。さらにはその隊員を王子様と慕っているという・・・。ベタだ。ベタなんだけどそれ以上に爽やかな、読みやすい作品になっています。
ヒロインは図書特殊部隊に配属され・・・うぷぷ。本当に図書館ですか。ここ。
そして、良化部隊の負の遺産を収集する「情報歴史資料館」のオーナーの死による資料移転問題が立ち上がる。後に言う「情報歴史資料館」攻防戦である。そのとき、ヒロインは、オーナーの友人であった司令と共に告別式の会場にいた。
ノンストップですよ。もう、あっという間。いや、この爽快感は、まるで秋の高い空の下、渇いた喉に麦酒放り込んだようです。
でもね、私、この人のこと、本当に男性だと思ってました。はい。
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