来ましたね。いよいよ、最終巻です。
家康の天下統一は目前となり、残るは大坂の役のみ。そんな中、大久保氏は濡れ衣を着せられ改易されてしまう。
まあ、この大久保長安事件は色々言われていますが、現在では家康が言うような不正蓄財は無かったという説が主流を占めています。
要は武断派大久保家と文治派本多家の勢力争いなんですね。
結果としては武断派が敗れ去り、大久保家は改易されます。まあ、これは安定期に入ろうとする幕府の必然なのかもしれません。
故に物語は滅び行く武断派の大久保氏に美しさを見せるのです。まあ、威張っている本多一族も、あっというまにひっくり返されるのですが、権勢と知行、両方持っちゃいけないんですね。やっぱり。
そんな中で残された彦左衛門は大久保一族の記録である三河物語を書き記すのでした。
全3巻。実に面白い物語でした。『沙中の回廊』も読み直してみた方がいいかもしれませんね。
コメント